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Your Entry |       | Resumed on 2019/10/08 |
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動物や植物の細胞の外側は細胞膜で外界と仕切られています。また、ミトコンドリア、ゴルジ体と言った細胞内小器官も外膜により内外が区別されています。これらの膜を総称して生体膜と呼んでいます。
生体膜は、その主構成成分である脂質が自己組織化して形成する二重膜構造を基本骨格としています。細胞を構成する生体分子において、核酸は4種類の塩基、タンパク質は約20種類のアミノ酸が基本単位ですが、生体膜は数百種類以上の脂質から構成されています。また、生体膜中の脂質組成は細胞種類により大きく異なり、また生物種によっても顕著に異なっています。他の生体分子に比べて、一体、どうしてこのような数多くの脂質が存在しているのでしょうか。脂質分子は合目的に分子集合体を形成することを考えると、何かその理由があるはずです。
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自己集合系の一形態:二重膜 | | 私達の研究の大きな特色は、温度、濃度と同様に圧力を生体膜研究の解析ツールとして使用していることです。温度や濃度のような変数は、伝播に拡散過程を含むため、到達の遅延、局所的な差違が起こるのとは対照的に、圧力はパスカルの原理で均一、等方的且つ瞬時に作用します。圧力は脂質膜にメカニカルな大きなゆらぎをもたらすので、その結果、常圧下では観測不能な現象や新規な現象が観測できます。膜作用性薬物(麻酔薬)の作用が圧力によって覚醒する現象(麻酔作用の圧拮抗)は、その代表例です。
私達は、生体膜の関与した様々な生命現象(相変化、非二重膜形成、脂質ラフト、膜融合・膜分裂、麻酔作用機序など)の解明を目指し、主に生体モデル膜(脂質二重膜)を対象として生物物理学的手法あるいは界面科学的手法によるアプローチで以下のような研究テーマを実施しています。 | | 日本生物物理学会ホームページ内の研究紹介ページ(B-08:脂質膜の相転移、B-09:脂質膜低分子相互作用)および学科ホームページ内のA1研究室の研究内容ページもご参照下さい。 | |
研究室の歩み | | 1988年 | 4月に徳島大学工学部に生物工学科が設置される。 | | 5月に九州大学教養部から金品昌志教授および慶応大学医学部より堀 均助教授が着任し、生物機能工学講座A1研究グループが発足する。 | | 10月に工業短期大学部応用化学科より、佐竹 弘助手が着任する。 | 1990年 | 4月に松木 均助手が九州大学大学院理学研究科博士後期課程を2年で中途退学し、着任する。 | 1991年 | 9月に化学・生物棟が完成し、生物工学科第1期生が卒業研究を開始する。 | | 10月に佐竹助手が地域共同研究センター助教授へ栄転する。(佐竹教授は2012年にご退職) | 1992年 | 3月に第1期生12名が卒業し、新設置された大学院工学研究科博士前期課程に4名が進学する。 | 1994年 | 3月に博士前期課程第1期生4名が修了する。 | 1995年 | 4月に金品教授が地域共同研究センター長に就任する。 | 1996年 | 4月に松木助手が講師に昇任する。 | 1997年 | 1月に掘助教授が教授に昇任し、A2研究グループとして独立する。(堀教授は2014年3月にご退職) | | 5月に松木講師が文部省在外研究員として米国ユタ大学医学部麻酔科へ1年間留学する。 | | 6月に阿南高専より一森勇人講師が文部省内地研究員として1年間赴任する。 | 1998年 | 4月に九州大学理学部よりヴィレヌーヴ真澄美助手が着任する。 | 1999年 | 2月に松木講師が助教授に昇任する。 | | 7月にヴィレヌーヴ助手が独国バイロイト大学に研究員として4ヶ月間短期留学する。 | 2000年 | 4月に金品教授が工学部評議員に就任する。
| 2001年 | 4月に金品教授が徳島大学学長補佐に就任する。 | 2002年 | 11月にヴィレヌーヴ助手が埼玉大学理学部基礎化学科へ転出する。(現在、広島大学教授) | 2003年 | 5月に京都大学大学院農学研究科より玉井伸岳助手が着任する。 | 2005年 | 4月に博士後期課程を修了した楠部真崇が先端工学教育研究プロジェクト助手として着任する。 | | 10月に楠部助手が和歌山工業高等専門学校物質工学科へ転出する。(現在、和歌山高専准教授) | 2006年 | 4月に改組により大学院ソシオテクノサイエンス研究部が設置される。 | 2007年 | 3月に金品教授が定年のため退職する。 | | 4月に松木助教授が教授に昇任する。 | 2008年 | 4月に博士後期課程を修了した後藤優樹が先端工学教育研究プロジェクト助教として着任する。
| | 8月に玉井助教が講師に昇任する。 | 2009年 | 5月に後藤助教が特任助教として着任する。
| | 8月に後藤助教がスイス連邦工科大学ポールシェラー研究所に研究員として3ヶ月間短期留学する。
| 2010年 | 7月に後藤助教が徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部へ転出する。 | 2011年 | 10月に徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部より後藤助教が着任する。 | 2013年 | 4月に玉井講師が准教授に昇任する。 | 2014年 | 4月に後藤助教がスイス連邦工科大学ポールシェラー研究所に客員研究員として1年間留学する。 | 2015年 | 7月に玉井准教授がコペンハーゲン大学ニールスボーア研究所に客員研究員として半年間留学する。 | 2016年 | 4月に学部改組により、生物資源産業学部生物資源産業学科応用生命コースC1研究室となる。 | 2018年 | 10月に生物資源産業学部応用生命コース第1期生が卒業研究を開始する。 | 2020年 | 3月に第1期生6名が卒業し、新設置された大学院創成科学研究科修士課程に3名が進学する。 | 2021年 | 10月に後藤助教が准教授に昇任する。 | 2022年 | 4月に松木教授が生物資源産業学部長に就任する。 | | 4月に金品名誉教授が令和4年春の叙勲(瑞宝中綬章)を受賞される。 | | |
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